【結婚式】
織り手:テレサ・プリズモント
サイズ:約150×210cm
糸仕様:手紡ぎ、無染色
解 説:SLOWART 藤田泉さん
村の一番のベテラン、テレサ・プリズモントさんによる作品『結婚式』。
テレサさん自らが紡いだ手紡ぎ・無染色の糸を使い、2か月の時間をかけて織り上げた大作です。
図柄は、ヤノフ村の織物が嫁入り道具だった頃に織られていたものと全く同じもの。
美しい木々に囲まれた広場で、輪になって踊る男女、楽器を奏でる人、荷馬車に乗ってやってくる子どもたちの姿も。お祝いの様子が生き生きと描かれています。
経糸には濃いグレーと薄いグレーの糸、緯糸に白とグレーを使っています。
手紡ぎの糸のいい意味での不揃いさと、グレーの淡いコントラストがとても美しい一点です。
使われているのは、土地の原種の羊、フジョスフカの毛。その毛からテレサさん自らが紡いだ糸が使われています。
よく見ると、強い撚りをかけた極細の単糸も含まれています。
この細い糸で、このサイズの大型作品を織るには、通常よりも長い時間を要しますが、手紡ぎの糸にしか出せない風合いが生まれます。テレサさんのこだわりを感じる、特徴的な経糸です。
◇織り手◇
ヤノフ村で一番のベテラン、85歳のテレサ・プリズモントさん。
今でも現役で、ポーランド各地の民芸市に赴き、織物のコンクールに作品を出品し、国内外からたくさんの注文を抱え、精力的に創作活動を続けられています。
◇ヤノフ村の絵織物◇
ポーランド東北部ポドラシェ県のヤノフ村に受け継がれてきた手織物です。
昔ながらの木製の織り機を使い、羊の毛糸を時間をかけて織りあげる、あたたかな風合いの織物です。
複雑な模様も描ける高度な「二重織り」の技法は、18世紀にこの地へと伝わって以来、母から娘へと受けつがれてきました。
その魅力は、布いっぱいに描かれる身近な自然や村の暮らしの風景。多彩な伝統模様に、織り手ごとのオリジナルのモチーフも加わって、自然の恵みとともに営まれてきたヤノフ村の物語が、一枚一枚に織り込まれています。
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