福島・小名浜のかご『万漁カゴ 取材記 vol.1』

今週は、福島県のいわき市にやってきました!

こちらは、沿岸部の再開発が急速に進み、火力発電用の石炭を運ぶ
タンカーが行き交う小名浜の眺め。
小名浜港は、県最大の漁獲高を誇る大きな港でしたが、震災以降は
試験操業の状態が続いています。

かつて、この港に水揚げされた大量のサンマやカツオを運搬するのに
活躍した竹籠、『万漁カゴ』が不可欠だった時代がありました。

現在、この大きく頑丈な竹籠をつくれるのは、港の近くに住んでいる
一人の職人さんのみ。二代目の竹細工職人として60年以上にわたり
活躍している 西山昭一さん です。

これまでもその仕事ぶりを見せてもらいに何度かお邪魔してきましたが、
今回はあらためて「映像」として記録に残すことを目的に伺いました。

今まで何度となく見ていたはずの手の動きも、記録することを意識して
見ると、全く異なって見えます。
そして、竹を割ったり、削ったり、編んでいるときに聞こえる
リズムを刻むような「音」の存在も、今回はじめて意識しました。

無駄のない仕事ぶりから生まれる、心地よいリズム。
手と足の裏を使い「せん」という道具で竹を削る音。
縁を巻くとき、ギュッと力をいれたときの音。
この数年間、当店が扱っているかごの中で、50年先まで続くものは
どれだけあるのだろうと、いつも考えてきました。

そして、かごを販売する店として、産地の現状を知り、関心あるかたに
伝えていくことに加えて、なにか形として「記録」に残していくことも、
役割の一つかもしれないと思うようになりました。

完成したばかりの万漁かごからは、乾くまでの間、
「パチパチ」とちいさな可愛い音が聞こえてきました。

今回は二日間の取材で、かごづくりの工程の撮影が終了しました。
次回は、竹を採取するのに最適な時期に伺って、よい素材の選び方など
竹林での仕事を取材させていただく予定です。

西山昭一さんによる『 万漁カゴ 』の映像の記録は、来年春ころの
完成を目標に準備をすすめています。
どうぞご期待ください!

伊藤