いわきの西山さんに、竹取りを教わりました。

こんにちは。

先週は、福島県いわき市の竹籠職人、西山昭一さんを訪ねてきました。

今回の訪問は、今年で三回目。
秋も深まり、かねてからお願いをしていた「真竹」を採取できる時期に
なったと聞き、日本の手仕事の道具に関心を持つ知人と一緒に
いわきに向かったのでした。

車を走らせると、なつかしい風景が広がってきました。

かごづくりに適した竹が採取できるのは、一年の中でも限られた期間だけ。
適度に水分が抜けて強度も増し、虫による被害が少なくなるといわれる
晩秋から冬にかけての竹が、かごの材料としてもっとも適していると
言われています。

西山さんは、かつて、東北有数の漁獲高を誇った小名浜港で、
魚の水揚げや運搬に必要とされた「万漁かご」を中心に、60年近く
竹籠づくりに携わってきたベテランの職人さんです。

ですが、気難しい職人のイメージとはちがって明るく元気な方で、
奥さまの英子さんともいつも一緒のおしどり夫婦です。

到着した夜は、今年で金婚式を迎えたお二人を祝福すべく、西山さんとの
出会いのきっかけをくれたomotoの鈴木夫妻も合流して、たくさんの
ごちそうをいただいた、楽しい夜となりました。
(そういうわけもあって、翌朝の竹取り開始は、かなりのんびり
スタートとなりました。。。)

翌日は快晴に恵まれ、絶好の竹刈り日和!

今回目指す場所は、工房から車で40分ほど離れた川沿いの竹林。
西山さんが日ごろ竹を採取する場所のいくつかから、初心者の
ぼくたちにも入りやすい竹林を選んでいただいたのでした。

到着後、鉈とのこぎりを腰に巻いて、いざ竹林の中へ。
一歩中に入ると日中でも薄暗く、人が通れそうな場所は限られていました。
西山さんいわく、土壌を豊かにするためにも、適度に人が入って竹を
間引いてあげることが必要で、今では手つかずの荒れてしまった竹林が
ほとんどなのだそう。

さて、今日の目的は、今年の春に伸びたばかりの、真新しい竹。

縁巻きや持ち手には、本体に使う素材とは異なる、若くて弾力ある
竹が必要となります。西山さんは、すぐに濃い緑色をしたきれいな竹を見つけ、
鉈の腹を使って節の間を叩きました。耐久性に優れている竹を見分けるには、
見た目だけではなく、叩いたときの音の強弱で判断するのだそうです。

試しに、甲高く響いた竹を切り、表面を薄く剥いて曲げてみると、すぐに
折れてしまいました。次に、音が低かった竹を同じようにしてみるのですが、
こんどは二つに畳める位に曲げても割れることがりませんでした。

(ピントがあっていませんが)
低い音を響かせた竹は、驚くほどの弾力でした

竹を切る場所は、地表から30-40cmほど離れた節の下部分です。
西山さんが竹を切るのに要した時間は、なんとわずか8秒!

その後、切った竹は広い場所に移動し、横に倒して上の細い部分をカットする
のですが、その作業が終わった竹を並べていて、さらにビックリ!

測ったわけでもないのに、すべて7メートルの長さにぴったり揃っているのでした。
長年の経験に裏打ちされた、職人の勘を目の当たりにした体験となりました。

お昼が近づき、竹取りの作業はここで終了。

午後は工房に戻って、万漁かごを編むところを見学しました。
まずは、材料の竹ヒゴづくり。
竹の肉部分を削り、皮の薄いところのみを残していきます。

竹ヒゴが完成したところで、いよいよ編みの作業に。
まずは底部分を組んでから、上部へと編みあげていきます。

横で作業を見つめる奥さまと並んだ姿が、なんともよい雰囲気でした。

 

ゆっくりと解説いただきながら約一時間後に完成。
最後は奥さまと並んで写真を撮らせていただきました。

 

前夜から宿泊させていただき、食事から体験まで、すべてお世話に
なってしまいました。
昭一さん、英子さん、ほんとうにありがとうございました。

次は福島の山小屋で再会しましょうと約束し、帰途につきました。
いわきがさらに身近な土地となっていくのを感じた、今回の訪問でした。

征一郎